■ 合同大会ポスターセッション : (2) 研究力の調査分析
P14 英国の研究評価システムREFとそれへの大学の対応
研究戦略推進支援業務

○白井 哲哉(京都大学 学術研究支援室)

英国行政機関のHEFCEはResearch Excellent Framework (REF)と呼ばれる研究の質を評価するシステムを作っている。大学はこのREFの指標にあわせた研究成果レポートをHEFCEに提出し、それをもとに各大学の研究の質が評価され、大学への交付金の配分額が決められている。このREFのシステムと、この研究評価システムに対応するための英国Bristol大学の研究支援体制について紹介する。

P15 引用文献分析に基づく研究評価の課題と展望
研究戦略推進支援業務

○福島 洋、清家 弘史、Hansen Marc、根本 靖久(東北大学 研究推進本部URAセンター)

研究の成果である論文の数や被引用数は、研究者、機関、国などの研究活動を評価するための尺度として使われている。近年、InCitesやSciValなどのツールが開発され、詳細な分析を効率よく行うことが可能となってきているが、これらを用いれば自動的に有用な結果が得られるというわけではない。特に、分析の具体的な目的をまず明確にし、それを達成するための方法を検討することが重要である。本発表では、これらの点に留意しながら分析を行った成功事例を紹介し、課題や展望について議論する。

P16 大学研究力の把握と発信について
研究戦略推進支援業務

○齋藤 憲一郎、諏訪 桃子(東京農工大学 先端産学連携研究推進センター)

大学の研究推進企画のために、まず研究力の把握が重要である。これは主として研究成果の調査から始まる。現在のところ、アプローチは専ら論文の被引用分析に限定されている。一方で学術分野ごとの文化・土壌により成果の発信方法は一様ではない。すでに定着した感のある被引用分析においても、実務レベルでの課題は多い。また、研究成果の発信強化も重要な課題である。既存の学内組織と連携した実践例を示し、課題を共有したい。

P17 大学のポジショニング分析と組織的な研究支援体制構築
研究戦略推進支援業務

石本 太郎、栗原 翔吾、○新道 真代、森本 行人(筑波大学 URA研究支援室)

Times Higher Education(THE)やQuacquarelli Symonds(QS)が発表する世界大学ランキングに注目が集まっており、筑波大学でも、10年後の目標の一つとして「世界大学ランキング100位入り」を掲げています。この目標を達成するために、筑波大学URA研究支援室では、各ランキング公表機関が2013年に使用した採点ルールの調査、内容の精査を行い、現時点での筑波大学のポジショニング分析を行いました。また、これらの情報を参考に組織的な研究支援体制の構築に挑戦中ですので、その進捗を併せて発表します。

P18 教育研究活動データベース充実化の取り組み
研究戦略推進支援業務

○今井 敬吾 1、古村 隆明 2(1 京都大学 学術研究支援室、2 京都大学 情報環境機構)

京都大学の研究力分析の網羅性向上のため、過去10年分の文献情報を全学60部局から収集し、京大の「教育研究活動データベース」に投入した。専用の名寄せアルゴリズムを活用することにより、研究者のデータ入力負担を軽減すると同時に、Web of Science、 Scopus、JGlobal等の外部文献データベースや図書館リポジトリとの参照関係を構築した。これにより、京大の多様な研究成果の分析基盤を整備できた。本プロジェクトの成果と、判明した多くの課題について紹介する。

P19 大学の「研究力」を考える
そのほか

五十畑 浩平 1、柳生 勇 2、○山田 朗 3、山本 祐輔 4(1 香川大学 研究戦略室、2 名古屋工業大学 産学官連携センター、3 愛媛大学 先端研究・学術推進機構 教育研究高度化支援室、4 京都大学 学術研究支援室)

大学の研究機能強化において、大学が持つ持続的な「研究力」の把握がURAなど大学関係者の日常活動の指針になるだろう。抽象的な「研究力」概念だが、論文分析・外部資金などの指標による側面からの捉え方、各大学の歴史的・位置的特性を踏まえた捉え方など、様々な考え方が想定できる。本ポスターでは、「研究力」の意味を、各大学に共通する部分や独自に特色を持つ部分など、異なる大学に所属するグループによる議論を展開する。

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