ご挨拶

総長よりご挨拶

— 大学活動の推進役として、日本独自のURA像を切り拓く —

北海道大学は、2026年に創基150年の節目を迎えるにあたり、社会において大学が果たすべき役割の重要性を深く認識し、2014年8月に「世界の課題解決に貢献する北海道大学へ」を掲げて、建学以来の基本理念と長期目標を踏まえた大学改革を大胆かつ着実に進めることを決意し、それを実現するために「北海道大学近未来戦略150」を策定しました。
また、それより1年前の2013年には、「イノベーション・社会実装で先進する大学」、「世界の頭脳が行き交う大学」、「優れた研究ガバナンスを誇るモデル大学」の3つを10年後の本学の姿とした「研究力強化実現構想」策定し、様々な取組を行っています。

日本の国立大学は極めて高い研究力があるにもかかわらず、近年、グローバルプレゼンスの低下が大きな課題となっています。大学の国際競争力を高めるためには、研究だけでなく、教育、広報、産学・地域連携を含む幅広い領域において、経営的視点からレベルアップを図る必要があります。本学は「社会における大学活動において研究者と対等の重要性を持つ企画・推進(大学活動の推進)役」としてURA (University Research Administrator)を創設しました。2015年には、URAステーションを設置して、研究戦略・活動の立案・企画、外部資金の獲得、国際共同研究の企画、研究成果の活用促進等など「大学の知」を社会・地域へ還元する活動をより推進し、全学を横断した研究の推進と、世界的研究拠点整備の推進基盤の構築に取り組んでいます。

北海道大学では、総長ガバナンスを強化するための組織改編を断行し、執行部による経営判断にあたっては、すべての大学データを把握・解析して決定する体制の確立を進めていますが、一方で、大学改革を推進するためには、大学経営を理解し、部局、事務組織等の壁を超えて企画・立案を行える人材が不可欠であり、その役割を担う人材こそがURAであると考えています。

URAは、米国の大学機関においては研究面での管理を行う専門職として発展し、2012年から文部科学省の「リサーチ・アドミニストレーターを育成・確保するシステムの整備」事業として日本に導入されましたが、その概念は、日本の大学の現状に即して進化を遂げるべきだと考えています。イメージしている日本独自のURA像とは、特定の研究領域において深い専門知識を持つ研究者としての資質を備えながら、組織マネジメントに強い関心を持ち、特定の専門領域に留まらず広く大学経営全体に役立てたいという情熱を持つ人たちです。北海道大学では、URAを研究に限らず広く大学経営全体のマネジメントを行う、いわばUM(University Manager)に近い役職として位置付けております。実際、すでに所属する多くのURAが組織を超えて横断的に複数の役職を兼任し、研究強化、大学改革業務の大切な一役を担っています。 URA職のキャリアパスについても、北海道大学は抜本的な改革を進めて おり、年齢ではなくそのマネジメント能力に応じて主任URA、シニアURAへの昇任を可能とし、将来的には執行部において重要な役割を担うことも視野に、経営人材としての育成も積極的に行っています。

北海道大学が国際研究大学としてさらなる進化を遂げるためには、優秀な若手が失敗を恐れず自らの能力を最大限に発揮して挑戦できる環境づくりが必要です。このチャレンジ精神を大学改革においても発揮し、まさにクラーク博士の“Boys, be ambitious” の魂を体現すべく、新しい大学経営モデルを世界に対し示していきます。同時に、URAステーションは大学経営を支える重要な担い手として、日本のURA像を切り拓く独創的な活動を行っていきます。今後の活動にご注目ください。

平成29年12月

北海道大学総長
名和 豊春

 

研究担当理事よりご挨拶

北海道大学は日本を代表する国立大学の一つとして、我が国の科学技術と高等教育を支えてきました。1918年の大学設置以来、長い伝統を持つ農学をはじめ、生命科学、医学、応用化学を代表とする幅広い分野において高い研究力を維持しています。しかし、更なる世界の研究・教育拠点に北海道大学ブランドを押し上げて行く上で、我々には今、様々な課題があります。

近年、産業は大きく変化を遂げています。高度経済成長期に日本の産業の中心であった製造業に加えてサービス業の割合が増し、それに伴い社会において必要とされる知と技術の性質が大きく変化しました。今や一人の人間が一つの学問を極めるだけでは世界に通用しない時代がきています。今の時代に必要なのは、複数の学問を身につけ、分野融合的な新しい学問を切り開ける研究者や、幅広い教養と技術を持ち、社会に新しい価値を生み出せるイノベーターです。北海道大学はより時代に即した高度で卓越した人材を社会に輩出するため、研究・教育に関わる全学的な運営体制の改革が急務であると考えています。

また、国立大学は2002年の法人化以降、より自律的な大学運営にむけた改革が同時に求められています。大学経営は民間企業の経営とは性質が異なり、研究・教育活動を中心に置いた独自の経営指標によるマネジメントが必要です。この改革を推し進めるためには、従来の教員、事務職員とは異なる、大学経営マネジメントを専門とする新しい人材の育成が必要不可欠です。

北海道大学は、改革推進のための新たな組織としてURAステーションを設置しました。URA(University Research Administrator)の定義や役割は大学によって様々ですが、本学ではURAを「大学経営マネジメント人材」と定義し、研究管理業務にとどまらず、広く全学的な研究・教育力の強化および大学改革を推進する人材として位置付けています。URAステーションは大学運営業務のハブとなり、教員組織と事務組織、そして大学と地域・産業界をシームレスにつなぎ、 組織全体のレベルアップに向けた経営改革を推進するとともに、将来の大学経営を担う人材の育成を目指しています。

現在URAステーションには十数名の本部URAが所属していますが、2015年の設置以来、URAが主導するプロジェクトですでに多くの成果を上げています。代表的な例として、大学IR事業の推進、「グローバルファシリティセンター(GFC)」の設立および全学機器共用システム立ち上げ、そして「北極域研究センター」等の大型研究拠点の設立が挙げられます。また、教育面においても、教育に造形の深いURAが大学院設置といった重要な局面で教員のサポートを積極的に行っています。一人一人のURAが自身の持つ専門性と大学経営における幅広い知識を生かし、新しいプロジェクトを次々と企画・立案しています。

URAという概念もまた過渡期にある中、北海道大学URAの定義もまた進化して行くことでしょう。彼らが大学経営に欠かせない人材として、いずれ本学のみならず全国の大学において「大学経営マネジメントのプロ」として重要な役割を担う人材に育って行くことを期待しています。

北海道大学 理事・副学長
西井 準治

 

URAステーションの概要

北海道大学URAステーションのウェブサイトへようこそ。URAステーションは、北海道大学の研究力強化にむけた戦略立案と実行を担う研究・経営マネジメントの専門家組織です。高度な専門知識を持つリサーチ・アドミニストレータが、学内外の組織と連携しながら、大学経営戦略の立案、研究基盤に関わるシステム改革、大型研究プロジェクトの企画・推進、人材マネジメント戦略に至るまで、北海道大学の研究力強化に向けた幅広い活動を行っています。

北海道大学では設立150周年に向けた「近未来戦略150」で「世界の問題解決に貢献する北海道大学」になることをビジョンとして掲げています。具体的には、10年後の大学のあるべき姿を 「イノベーション、社会実装で先導する大学」、「世界の頭脳が行き交う魅力ある大学」、「優れた研究ガバナンスを誇るモデル大学」とし、この3つの目標の達成を目指し、総長のリーダーシップの元、北海道大学の特色を生かした大学の総長ガバナンス改革および研究力強化のための改革を推進しています。

北海道大学URAステーションは、この目標の実現に向けた大学経営の戦略立案と改革の実務を担う総長直轄組織として設立されました。国立大学法人化以降、大学法人としての自立した経営戦略が必要とされる中、従来の事務、研究・教育機能とは異なる機能をもった組織力と人材が必要とされています。北海道大学ではURAを高度な経営マネジメント人材として位置付け、総長、研究理事主導のもと、部局や学内事務組織を跨いだ研究戦略、大学経営に関わる重要業務を推進することで、大学法人として「自立した北海道大学」を目指しています。URAステーションは研究・経営戦略に関わる全てのステークホルダーのハブとして、総長のガバナンスの元、 研究理事、事務組織、各研究部局および研究者、国内外の協力研究組織や企業、資金提供機関と共に、様々な活動を行なっています。

組織図におけるURAステーションの位置付けはこちら

 

研究力強化に向けた3つの戦略とURAの貢献

北海道大学では、大学の研究力強化に向けた3つの戦略として 「人材の多様化」、「先端的な研究成果の創出と世界への発信」、「課題解決のための社会との連携強化」を掲げています。 この改革の実行において、URAステーションは中心的な役割を果たしています。

(1)人材の多様化(ダイバーシティ)の推進

研究人材の多様性(ダイバーシティ)を推進し、優秀な人材を部局を超えて確保するための全学的な施策を行っています。

これまでの実績(一部)

(2)先端的な研究成果の創出と世界への発信

先端的な研究成果創出に向け、国際的なランドマーク研究拠点作り、研究基盤システム強化のためのプロジェクトを企画・推進しています。

これまでの実績(一部)

(3)課題解決のための社会との連携強化

北海道大学と企業が効果的にリソースを提供し合い、産学連携によるイノベーション創出を目指す「産業創出部門」を設置し、「組織型協同研究」を実施するためのフレームワーク構築に関わっています。

 

URAのキャリアパス

北海道大学では、URAが5年任期付からテニュアに移行できる独自のURA職のためのテニュアトラック制度を設計しました。この制度によりURA職の専門性をより高度化し、幅広い大学経営マネジメント人材として育てるためのキャリアパスを明確化しています。外部のコンサルティング会社を利用し、能力評定メニューを開発したほか、マネジメント能力の高いURAは、主任URA、上席URAへと昇進できる階級型システムを設けています。また、将来的には学内のURA関連職とURA職の流動化を推進し、他の職種からURAに移行可能なパスを定着させる仕組みを検討しています。

 

URAステーションが取り組む5つのプロジェクト

北海道大学URAステーションでは、そのミッションとして以下5つのプロジェクトを実行しています。各プロジェクトは、複数名のURAで構成されており、統括責任者の指揮のもと、他組織と協力しながら、目標の達成に向けて大学一体となって各プロジェクトを推進しています。

  1. 研究力強化のためのシステム改革企画と実施
  2. 研究大学IRを活用した大学経営マネジメントの実施
  3. トップダウン型ランドマーク研究拠点の構築
  4. 全学の基礎研究ステージアップに係るシステム構築
  5. 大学経営マネジメント人材の統合に向けた組織連携

 

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