about URAステーションについて

ごあいさつ

北海道大学総長 寳金 清博

北海道大学総長 寳金 清博
北海道大学は、その設立経緯や地政学的特徴、広大で美しいキャンパス、環境との調和、学術面や構成員の多様性、地域の中核大学としての存在感において、唯一無二であり誇るべき特性をもっています。

現在、本学は、2026年の創基150年に向け、「世界の課題解決に貢献する北海道大学へ」と題した近未来戦略150に基づき、研究や教育、その他さまざまな角度から不断の大学改革を進めています。さらに、本学が創基150年を越えた先に目指すべき姿として、私は「比類なき大学」「光は北から、北から世界へ」というビジョンを掲げています。これらのビジョンは、本学の独自性をさらに追求し、世界に伍する教育や研究、社会との共創を通して、地域そして世界の課題解決に貢献する総合研究大学としての本学のあり方を表すものです。

ビジョン「比類なき大学」「光は北から、北から世界へ」実現のためには、本学内の関係者はもとより、学外の研究機関、企業、自治体や、さまざまな機関等との協力が不可欠です。本学のURAステーションは、2012年の設立以来、こうしたステークホルダーと本学関係者を結び付け、研究、教育、広報、産学・地域連携等幅広い領域において、全学を横断した研究の推進、世界的研究拠点の構築、研究成果の活用促進など「大学の知」の創出を促すとともに社会・地域へ還元する活動に取り組み、大きな成果を上げてきました。大学経営を理解し、部局、事務組織等の壁を超えて企画・立案を行うことのできるURAステーションの役割は、大学改革およびビジョンの実現のため、今後ますます重要なものとなります。

今後は人的ネットワークの構築、大学間の連携、国際連携による本学の研究力や価値の向上、さらに社会的インパクトの評価を含む研究力の評価といった幅広い分野において、さまざまな知識に精通するURAにしかできない活躍を期待しています。

北海道大学理事・副学長  増田 隆夫

北海道大学理事 増田 隆夫
北海道大学は、1876年に設立された札幌農学校を起源とする、日本を代表する国立大学の一つです。その長い歴史を背景に、本学は「フロンティア精神」「国際性の涵養」「全人教育」「実学の重視」という四つの基本理念を掲げ、国内外の科学技術と高等教育の発展に貢献してきました。現在の北海道大学は、12の学部、21の大学院その他附属研究所等を擁し、さまざまな分野において先端的かつ高い研究力を持つ地域の基幹総合大学となっています。

また、地域社会と密接に関わる基幹総合大学である本学は、地域の課題解決に貢献することも求められています。そしてその評価は、対象とする地域において研究成果を享受する住民や自治体によってなされることが理想です。しかしながら、コミュニティというシステム全体の最適化が伴う複雑性、人文系と理工系にまたがる融合性や、さらには地域住民の意思をどのように評価基準に組み込むかといった多種多様な課題のために、未だに評価手法は確立していません。

大学経営の戦略立案と改革の実務を担う組織であるURAステーションでは、様々なバックグラウンドを持つ各URAの多彩な知識・経験を活かし、大学力の強化、研究が発展する環境の整備や、実学の推進も進めてまいりました。今後は、これまでの取り組みをさらに進めた、新しい試みも実践していきたいと考えています。例えば、産学官および住民が参画する”北海道プライムバイオコミュニティ”等のプロジェクトに対し、そのプロジェクトが住民にもたらしたWell-being・幸福度を指標化し、研究と並走してプロジェクトの価値を評価する試みなども面白いと思います。そして、そのような経験を活かして、アカデミアの道も念頭にURAのキャリアパスが多様化することがあれば望ましいと思います。また、地域の基幹総合大学としてのシンボルになるような、地域の課題解決に貢献できる高い専門性と柔軟な融合性を併せ持った研究者や博士人材の育成やキャリアパスの支援等を推進するための組織設立も、実施したいことの一つです。

新しい取り組みを進めるにあたっては、これまでも新規事業に積極的に取り組んできたURAが、北海道大学の中心となって活躍することを期待しています。