Innovation dialogue
イノベーション対話の記録 002
イノベーション対話の記録

地域の強みから考える~この町の課題と可能性~」
函館が“子育て教育したい街”で全国1位になるには

 

 対話手法の社会実装を目的として、まちづくりに絡めてどのように北大型対話手法が適用されていくべきか、またどのような効果があるかを図るため、函館市が最もフォーカスしたい問題、「人口減少」を改善するために、地域で活動を続けているまちづくり会社と連携し、仮課題「子育てと教育」にフォーカスした。


 前回のキックオフミーティングで得たフィードバックから改訂した北大型対話手法を用い、様々な観点で函館市の10年を振り返り、現状への理解を深め、どんな街にしたいのかを話し合い、さらに幸せ指標の作成およびストーリーの共有から一歩踏み込み、今後の活動につなげていくためのアクションプランの作成および共有化を図った。 

【使用した対話の手法】
北大型イノベーション対話

【参加者の状況】
第3セクター及び市役所、教育委員会をはじめとして、函館での事業者及び事業従事者など20代から60代まで幅広い年齢層の参加者が集まった。(合計34名)

 

【ワークショップの会場】
大沼国際セミナーハウス(北海道亀田郡七飯町字大沼町127番地1)
クロフォード・イン大沼(北海道亀田郡七飯町字大沼85-9)

【スケジュール】
平成25年12月7日 13:00 ~ 17:40 (大沼国際セミナーハウス)
平成25年12月7日 18:30 ~ 20:50 (クロフォード・イン大沼)
平成25年12月8日 09:00 ~ 12:30 (大沼国際セミナーハウス)

 

・ワークショップの検証

【設計にあたっての仮設、狙いと実際に行ったワークショップとの比較検討】
ステークホルダーを決定するにあたり、函館を住み続けたい街にするためには、仮課題を教育と子育てを課題とし、その問題に関わりが深い人たちを20代から50代まで幅広い年齢層でほぼ同数ずつ集めた。同じ世代で集まって話をしたり、多様な世代で集まったり、関心事に集まったりなど、グループメンバーの入れ替えを行ったが、年表作りや思いでの場所発表で、20代は、記憶を喚起することが難しく、同年代のグループでは対話の効果が低い。

 

【参加者からの意見の集約】
「幅広い年代及び職種の人間が一堂に会すること気づきが得られた
「事前にそれぞれのワークの位置づけやゴールイメージを明確にしてほしい、もうすこしガイドしてほしい」「コントロールされすぎると、意見が出にくい」「事前にグループ内で立場を越えてフラットな関係を持つこと、能力や知識等ばらつきのある多様性が大切だという対話を行うためのベースラインが明確化されていると良い
「各チームによって能力にばらつきがあり、リーダーになれる司会を運営が決めるべきだ」「新しいことや物を作ろうとし過ぎていて既存のことや物を利用しようという意識が薄い」などの意見が得られた。

 

・ワークショップのアウトプット等

【産学官連携活動につながるどのようなアイデア・コンセプト等が発掘されたか】
新しく何かを作り出すのではなく、既存のリソースを利用し身近なところから事業を起こしたい(例:フットサルクラブの試合に合わせて市民のフリーマーケットを開催するなど)。
都市の規模が小さく閉鎖的な社会では、自分の欲求を外に出しにくいので、それを出しやすくし、出せる場所を設けていくことが消費活動にも重要、函館という都市に固有の問題、例えば外国人とどう日常生活で距離を縮めるか等、具体的なアイデアが出た。書店、コーヒーショップ等、民間施設の活用がアイデアとして出てきた。

 

【発掘されたアイデア・コンセプト等についてどのような活動を行ったか】
参加者達が自主的にフェイスブックのグループページを立ち上げ、ワークショップのアクションプランから派生して実施されている事業が記録されている。その後、参加メンバーを中心に、フューチャーセッションを継続している。

 

【上記の結果を次のワークショップにどのようにフィードバックしたか】
年齢の多様性が議論に効果を生むことを次回のワークショップを実施する上での中心テーマに設定した。